小

オール・ザット・ジャズの小のレビュー・感想・評価

オール・ザット・ジャズ(1979年製作の映画)
4.0
「午前十時の映画祭9」で鑑賞。アメリカの振付師でミュージカル演出家のボブ・フォッシーが<死期が近いと宣告されて、執念をかけて完成させた>(ウィキペディア)自伝的作品。

仕事に酒・タバコ、女と、好き勝手気に生きてきたものの、過労と不摂生で倒れて生死をさまよい、これまでの人生をミュージカル風に思い出す。

何を残すかはともかくとして、自分の好きなように生きてきて、比較的早くに死ぬというある意味幸せな人のシンプルな物語。SEX、入院、手術、そして死もショーとして表現され、結構見入ってしまった。

生きているうちは嘘で、これから迎える死が唯一の真実、という彼はこの映画をつくることで自らの魂を慰めたかったのだろうという気がした。

多くの女性が「自業自得でしょ」的な雰囲気の中、可愛い一人娘が彼のことを心底心配し、悲しんでいる様子がちょっと刺さる。好き勝手に生きてきたとはいえ、人生を振り返ったときに、未練が浮き彫りになってくる。

自分のこれまでをミュージカルで描く能力はないけれど、例え死期を感じていなくても、節目で節目で人生を総括した方がよいのかもしれないと思った、50歳になってしまった自分。

●物語(50%×3.0):1.50
・好き勝手にやってきた人の物語。

●演技、演出(30%×5.0):1.50
・ミュージカルショーのシーンに魅せられる。もう一度観たくなった。

●画、音、音楽(20%×5.0):1.00
・もう一度観たくなった
小