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ONCE ダブリンの街角でのwarderbrothersのレビュー・感想・評価

ONCE ダブリンの街角で(2007年製作の映画)
4.6
この作品をご覧になった皆さんお気づきでしょうか。
この作品は主人公とヒロインの名前が一度もでてきません。エンドロールでもguy とgirlと表記されています。
それに加えてブレブレのビデオカメラで撮ったような生活感溢れる映像。

これらのことから、この物語は数多くの音楽を愛する者が経験する、人物を特定しない一種のドキュメンタリー映画ともいえます。ロンドンに主人公が旅立ち(日本では上京)、そこにある別れと希望。彼がロンドンで成功する保証はもちろんありません。
音楽で大成した人、そうでなかった人どちらの立場からしてみても大いに共感できる作品ではないでしょうか。

おそらく私がこの作品の世界観にどっぷりハマってしまったのは、音楽がどれも発展途上にあったからだと思います。不完全であるからこそ、人はその先への期待を込めて魅力を感じやすいのです。序盤の楽器屋でのセッションでは特にそれを感じました。

音楽が人生の大部分を占める
音楽にその人の全てが詰まっている
他の作品からもわかるように、この監督も本当に音楽が好きなんでしょうね!
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