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ONCE ダブリンの街角でのWAKIOのレビュー・感想・評価

ONCE ダブリンの街角で(2006年製作の映画)
4.5
◼️美しい音楽の調にのせる感情の揺れ

ダブリンの街角で歌う売れないミュージシャン(G.ハンサード)は、ある日花売りの女性(M.イルグロヴァ)と出会う。音楽を愛する二人はやがてお互いの距離を縮めていく…
というお話。

噂には聞いていたが、まさかここまでとは。自分の中ではかなり強いインパクトを残した傑作ラブストーリーです。

folling slowlyをはじめとする楽曲に乗せて、二人の心の機微を情感豊かに描く本作はまさに大人のラブストーリーといったところ。中でも一番驚いたのはキスシーンが一切無いところ。それでいてあらゆるラブストーリーよりも情熱的な作風に仕上がっているところが凄い。
言うなれば、激情的なシーンは音楽が代弁しているということになるのか。

さらには、主役のカップルが特定の誰かでないことが明かされるエンドクレジットには鳥肌が立った。左記の演出は事前に知っていたにも関わらず。ホームカメラのような画の質感などが、かえってありふれた二人の男女の模様を切り取ったような印象を受けたため、エンドクレジットの魔法が強められたような感覚です。

話は戻ってしまうが曲が本当に良い。シング・ストリートも素晴らしかったし、ジョン・カーニー監督は今後要注目のアーティストとしてリストアップすることにします。

ヒロインが主人公に対して母国語でつぶやくあのシーンはロスト・イン・トランスレーションっぽいね。