nam

ONCE ダブリンの街角でのnamのレビュー・感想・評価

ONCE ダブリンの街角で(2007年製作の映画)
3.8
「音楽を奏でる喜びに満ちた出会いの物語」

「はじまりのうた」や「シングストリート」のジョン・カーニー監督作。
2つより以前の作品ですが元ミュージシャンの監督らしくそれぞれの作品で音楽を奏でる事の喜びやその瞬間を描く事が秀逸な監督です。

本作はアイルランドで映画としては破格の1500万円程の低予算で作られながらも、アメリカで口コミで2館→140館にまで上映館を増やした程で、その年のオスカーでは劇中で歌われる"Falling Slowly "が歌曲賞を獲得する程だったようです。

映像としてはドキュメンタリーかのような手持ち感溢れるカメラで。この辺りは低予算感が出てましたが、何より突出していたのは音楽の魅力ですね。

劇中の楽曲はミュージシャンである主演の2人が作詞作曲と描き下ろしており、またその歌声もプロならではの説得力があるものでした。そして各曲が"いい曲だなぁ"と思わせる名曲揃いで、本作のサントラが全米チャートで2位を獲得したというのも頷ける完成度です。

2人が最初に声を重ねるシーンでのハーモニーやスタジオでの初めての収録のシーンなど演奏シーンがとにかく素晴らしいです。映像的な安っぽさやストーリーのシンプルさを補う程に演奏シーンが素敵です。

音楽映画好きにはオススメの作品。
nam

nam