靜

ディナーラッシュの靜のレビュー・感想・評価

ディナーラッシュ(2000年製作の映画)
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TSUTAYAの発掘良品コーナーが大好きで、とりあえず片っ端から借りていた時期に観た作品。アマプラにあったので再鑑賞。

戦場と表現するのにぴったりなNYの繁盛店の喧騒を見ているだけで楽しいのに、そこにギャンブル中毒の副シェフ、取り立てに来たギャング二人組、元胴元現在堅気の店オーナー、オーナーが実の息子よりも副シェフを気にかけていることに嫉妬する股の緩い天才シェフ、物知りのバーテン、個性豊かなウェイターウェイトレスの面々、ずっとバーに居座る金融マン、気難しい皮肉屋の画商とグルメ雑誌記者、招かれた客である刑事夫妻といった人々が忙しなく登場して、関係したり関係しないままだったりしながら物語を運んでいく。
とにかく騒々しい画面だけど話はとてもシンプルで、歯には歯を目には目をお返しするだけのこと。
ある出来事に居合わせた人々を切り取る群像劇で、なんともエネルギッシュな一夜を描いた秀作。

わたしもダニー・アイエロに「お前に必要なのは救いだ」と言って心配されたい。彼ほど誰かを心配して気遣う役柄が似合う人はいないと思う。
靜