kazマックスグローバーレッド

クイズ・ショウのkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

クイズ・ショウ(1994年製作の映画)
3.7
劇場公開時に映画館で見て以来の再鑑賞。初めて見た時はこの映画の1年前に公開された『シンドラーのリスト』での冷徹で恐ろしいレイフ・ファインズしか見たことなかったので『クイズ・ショウ』での好青年役にはかなり驚かされた。

ロバート・レッドフォード監督が1950年代テレビクイズ番組の八百長を描いた作品で、見た目の冴えないクイズ王ハービー・ステンペルと挑戦者の好青年チャールズ・ヴァン・ドーレン、そしてスキャンダルの真相を追求する捜査官ディック・グッドウィンの3人の物語。ハービー役のジョン・タトゥーロのイケてない演技が上手いんだ、スボンサーの社長役がマーティン・スコセッシだったのは当時は全然気付かなかった。

捜査官グッドウィンの目的はヤラセに加担したチャールズを追求する事ではなくテレビの倫理を正すこと。知らず識らずのうちにテレビに踊らされていたチャールズもまた被害者。今で言うBPOの原点ここにありです。TV番組のヤラセって日本の『川口浩探検隊シリーズ』ぐらい突き抜けてくれると逆に楽しめるのにね。

この映画を見て改めて思うのは視聴率争いでエスカレートする過激演出や人を食いものにしてイジメを助長するテレビって半世紀以上経った今もそんなに変わってない気がする。民法放送って下世話な番組が多くて面白くないから昔と比べてあまり見なくなったもんなぁ。人を騙し弱者から大金を巻き上げてたタレントまがいの人がテレビで重宝されてた時代もあったしね、そんなことしてたら地獄に落ちるわよ…。