1950年代はまだ人が人を信じれる時代であった。
その頃に人気のクイズ番組「21」。
ここでやらせが行われていたという事実を、いかに暴き出していったかがテーマ。
観た後に感じるのは、TVじゃこんなこと日常茶飯事だろと思う自分がいたこと。
「クイズ番組では視聴者が観るのは回答者ではない。お金がどうなるかだよ」得てして妙なこのセリフ。
根本的にTVの有り方に釘を刺して、皮肉めいた風刺を取り入れたロバート・レッドフォードの演出と脚本が抜群に良い。
加えて事実を映画化しているため、ラストも警鐘を鳴らしている事を忘れていない。
レイフ・ファインズも良いが、やはりジョン・タトゥーロが最高にはまっている。
不正を告白するが、それが真実ではないと受け取られる矛盾。
「メディアなんてそんなもんだろ」と愚痴をこぼす場面は印象深い。
やらせなんかとは言わず、そこに疑問をもてば番組は楽しめない。
TVの娯楽とは一体どういうものか考えさせられる作品。