疲れて寝落ちしちゃたので丑三つ時レビュー。
1950年代に実在したNBCの人気テレビ番組「21(トウェンティワン)」を巡るスキャンダルを映画化。ロバート・レッドフォードが監督を務めた。
高額の賞金で国民的人気を誇るクイズ番組で連勝中のユダヤ人、ハービー・ステンペル(ジョン・タトゥーロ)は、冴えない容姿からスポンサーの製薬会社から嫌われ、プロデューサー、ダンとアルは別の連勝者を仕立てようとキリスト教徒で容貌、教養、家柄に於いて文句のない白人大学講師チャールズ・ヴァン・ドーレン(レイフ・ファインズ)に白羽の矢を立てる—— 。
テレビ業界の闇。
いわゆる、"ヤラセ"のお話。
挑戦者に勝ち続ければ賞金は増え続け、視聴率が上がる為ハービーは番組から問題と答えを教えてもらっており、次なる連勝者チャールズもまた、同じ様にヤラセを持ち掛けられる。しかし、彼は次第に良心の呵責に苛まれるようになっていく。
子供の頃、「わくわく動物ランド」とか「世界不思議発見」の黒◯徹子は「絶対答えを教えてもらっているのでは…?」と幼心にヤラセを疑ったりしていたなぁ。"スーパーひとしくん"で正解しまくるし。*勝手な憶測ですので、真偽は不明。
レイフ・ファインズが元々持ち得る知性が、キャラクターに真実味を与えている。
ジョン・タトゥーロもまた、チャールズの対局に位置する特異なキャラクターを好演。
マーティン・スコセッシがスポンサー役で出ていたり、クレジットにはないが、終盤にほんの一言の台詞でイーサン・ホークちらりと映ったり。
「お前の名は私の名だ」
チャールズの父が語った言葉が印象的。家柄の良いチャールズが、ヤラセに加担してしまった自分を悔やむ中で、父の言葉が足枷にもなり、と同時に最後の最後に誇りを取り戻すきっかけにもなったと言える。
最後は蜥蜴が尻尾を切って逃げるように。
黒幕は煙に巻いて逃げてしまった。
誰も損はしていない。
テレビは娯楽。
そう開き直られてしまうと、確かにそう。
テレビの在り方に警鐘を鳴らす、至極真っ当で真面目な作品なのは、ロバート・レッドフォードらしい。