何もかもが究極的

クイズ・ショウの何もかもが究極的のレビュー・感想・評価

クイズ・ショウ(1994年製作の映画)
4.0
テレビの面白さとはなにか?それは、写っている物事が台本なしの現実だと思える事だ。しかし蓋を開ければ、しっかり台本もあるし、出演者は演技をしている。だから時間内に番組は終わるし、出演者も常識ギリギリの範囲内で暴れるだけで、人は死なない。
そうして騙されていると、人はどこかでわかっていても、テレビで行われている事があまりに現実的なので本当かもと錯覚する。ある種の信用がそこに生まれるのだ。
でもその面白さの生命線とも言える台本がお粗末になればどうなるか?信用していた人は失望し、裏切られた事に怒り、テレビから気持ちが離れていく。そんなテレビの衰退を予言したかのような作品が、この「クイズショウ」だ。
ネットの登場で人はテレビを見なくなったと、
ある年齢以上の人は口を揃えるがそれは正解だし間違っている。彼らは自分達が面白い物を作ってきたけど、それを超える面白さがネットにはあるという意味でこの話をする。
それは間違いで、これまでもテレビは面白くなかったが、それしかなかったから見る側はそれで我慢せざるを得なかっただけだ。
その証拠に面白い番組は視聴率を稼いでいる。
自分達は負けなかったと言い訳するのは勝手だがこの映画のように自分達が胡座をかいたせいで招いた、テレビが衰退したザマの責任逃れはやめて欲しい。昔の俺と若手に自慢する無様な中年には毎度吐き気がするし、老化への争いをそんな所で発揮して若手と張り合っても悲しいだけだ。