竜平

ふたりの男とひとりの女の竜平のレビュー・感想・評価

ふたりの男とひとりの女(2000年製作の映画)
3.9
ジム・キャリー主演。ロードアイランド州警察に所属する男「チャーリー」と、ひょんなことから生まれてしまう彼のもう一つの人格「ハンク」、そんな二人(?)を軸に巻き起こる騒動や事件を描く。ファレリー兄弟による下品で下劣で、時にハートフルなブラックコメディ。

ジム・キャリーの二重人格演技、バツグンの演じ分けが終始楽しい今作。言いたいことも言えず町民からもバカにされつつ、それでも笑顔で職をこなすヒヨッコ警官チャーリー。ストレスを溜め込んで溜め込んである日ついに抑えきれず爆発、第二の人格発現、この瞬間のシーンなんか最高なんだよなと。本当に好き。顔芸からの逆襲の様子がたまらない。ヒロインがレネー(この頃はまだ表記がレニー)・ゼルウィガー、彼女の飾らない魅力、これも好き。他にもロバート・フォスターやクリス・クーパーやリチャード・ジェンキンスといった味のある面々が脇を固めてたりして。ドタバタ系のコメディで、前述したように下品だったり下劣だったりのブラックな内容が全編に渡って続く。その汚さ、下ネタなど、初めて見た小学生の頃でもちょっと引いちゃってた記憶。今見るとなんかもう爆笑してしまうんだよなと。これは俺のツボの浅さと、あとジムキャ大好きってな部分が確実にある。ちょっとした事件や恋模様と並行して物語が進みつつ、終盤、チャーリーとハンクの人格が代わる代わる出てきてしまうあたりは完全に見もの。ジムキャだからこそ為せる技ここにあり、という感じ。なんやかんやほっこりにまとまる良作コメディ。

あと久しぶりに見て思ったけど、ストレスを溜めすぎて爆発してしまう、ないし爆発しそうになるってなことは現実にも起こりうるよなと。いや今作みたいな滑稽なのでなく、犯罪とかに繋がるパターンのやつ。適度にどっかで発散しないと、今作で描かれてるような別人格を作り上げかねないんじゃないか、とかなんか真面目に考えてしまった次第。中盤のとあるシーン、バカにしてくる人に対してハッキリとこっちも物申す的なセリフ(とまぁここにはちゃんとコメディ的オチがあるんだけど)とか、大事だなって、なんか少し響いてきちゃったりして。ゆーて今作はそんなシリアスな話ではないよ。勝手に思っただけ。おしまい。
竜平

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