いろどり

第五福竜丸のいろどりのレビュー・感想・評価

第五福竜丸(1959年製作の映画)
3.5
私にとって第五福竜丸は、渋谷駅構内にある岡本太郎作「明日の神話」。とんでもなく大きなこの壁画は、何の知識もなかったころに見たときでも原爆を想像させた。調べてみて初めて、1954年アメリカの水爆実験で第五福竜丸が被爆したこと、この壁画は水爆炸裂の瞬間がモチーフとなっていることを知った。

今作でも水爆はピカと光るけど、モノクロのため刺激はマイルド。被爆前のカジュアルな漁の雰囲気が続き、顔が真っ黒になってもみんなニコニコ笑っているのがリアルで悲しい。

放射能がじわじわと体をむしばみ、周囲の人たちの笑顔をも奪っていく。
アメリカは罪を認めず謝罪はなし。
新藤兼人監督の強いメッセージが込められたドキュメンタリー風作品。
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