緑雨

ガチ☆ボーイの緑雨のレビュー・感想・評価

ガチ☆ボーイ(2007年製作の映画)
3.8
観戦する妹・仲里依紗のリアクション、痛めつけられる兄の姿に理解しがたい感情が生まれ、やがて心の底から心配し、応援する衝動が湧いてくる。これぞプロレスの心。

序盤があまりにグダグダだったので、これは相当しょっぱい映画かも…と思わせながら、佐藤隆太の秘密が明らかになることで、糸が繋がりドラマの波に乗ってゆく心地よさ。

オーソドックスな伏線と回収の物語ではあるが、感情の乗せ方は秀逸。クライマックスのタッグマッチにおいても、レッグ・ロック、水平チョップ、二人掛けバックドロップ、ドロップキックを流れで繰り出しながらセコンドの一人ひとりを切り返す。練習を支えてくれた仲間たちとの絆を感情の高揚に結びつける。王道だが心揺さぶられる。

それにしても、シーラカンズはヒール役として完璧だ。あのチャラさ、ふてぶてしさ、いかがわしさ!
緑雨

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