しぇんみん

マイティ・ソーのしぇんみんのレビュー・感想・評価

マイティ・ソー(2011年製作の映画)
3.7
壮大な親子喧嘩に兄弟喧嘩。

雷神トールと無敵のハンマー。

地球にとっては、神々の世界「アスガルド」。

そこには新たな王として戴冠式を迎えたオーディンの息子ソーが居た。

王たる印であるハンマー「ムジョルニア」を従えて。

そのとき、予てより敵対していた氷の巨人により宝物庫が襲撃される。

立腹したソーが仲間とともに氷の巨人の国ヨーツンヘイムを襲撃したことで、再び巨人との間に戦端が開かれてしまう。

息子の傲慢で軽率な行為に激怒したオーディンは、ソーから力を奪い地球へ追放する。

放逐された地球で知り合った科学者ジェーンやセルヴィグ教授たちに助けられ、地球のことを知るソー。

彼は、後を追うように地球に落下したムジョルニア、そして自分の力を取り戻すため行動を始める。

だが、そこにはソーの弟ロキの陰謀があった...。

北欧神話がモチーフの本作は、『アベンジャーズ』の他の物語と異なり、バリバリのファンタジーテイスト。

はるか昔、「女神転生」というゲームで「雷神トール」「魔人ロキ」に出会って以来、何となく馴染みのあるキャラクターが登場する。

FFシリーズの「召喚獣オーディン」は言わずもがな...必殺の斬鉄剣。

ソーの武器はムジョルニア(ミョルニル・ハンマー)という鉄槌。

凄まじい硬度・強度・重量を持ち、投げても手元に戻り、振り回せば空も飛べる便利な武器だが、所有するに相応しいと認められた高潔な人物にしか持ち上げられない。

地球に追放されたソーも、これを取り戻せば力も取り戻せると思ったが、今までの傲慢なままでは叶わなかった。

そうして、地球に落ちたソーは謙虚さや慈愛の念を学んでいく。

加えて「女性(ひと)を愛する」ということも。

本作は単体としても十分観れる作品になっており、重たい社会的テーマを背負っていない分、終始非常に明るい印象のドラマだった。

特に、現代の地球(欧米)文化とペットショップで馬を買おうとしたりするソーの持つ文化のズレが面白かった。

近年の悩めるヒーローとは異なり新鮮で魅力的に感じるものだ。

ソーと行動を共にするアスガルドの親友たち、シフ、ファンドラル、ヴォルスタッグ、ホーガンもいい調味料。

ラスト間際、デストロイヤーとの戦いは非常に熱い。

以降、『アベンジャーズ』で大きな位置を占める『マイティーソー』シリーズ開幕の一本として過不足ない内容となっている。

ハナマル!

2017/05/08
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