kkkのk太郎

マイティ・ソーのkkkのk太郎のネタバレレビュー・内容・結末

マイティ・ソー(2011年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

スーパーヒーローが一堂に会するアメコミアクション映画「MCU」シリーズの第4作にして、神の国”アスガルド”の王子ソーの活躍を描く『マイティ・ソー』シリーズの第1作。

傲慢さゆえにアスガルドから地球へと追放された王子ソー。天文学者ジェーンとの出会いが彼を変えていくのだが…。

監督は『ハリー・ポッターと秘密の部屋』『ワルキューレ』(共に出演)の、俳優としても活躍する名匠サー・ケネス・ブラナー。

○キャスト
ニック・フューリー…サミュエル・L・ジャクソン。

○新たなキャスト
主人公ソーを演じるのは『パーフェクト・ゲッタウェイ』『スター・トレック』のクリス・ヘムズワース。
天文物理学者ジェーン・フォスターを演じるのは『レオン』『ブラック・スワン』の、オスカー女優ナタリー・ポートマン。
ソーの弟、ロキを演じるのは当時は舞台やテレビで活躍していたトム・ヒドルストン。本作への出演により一躍スターダムにのし上がる。
ビフレストの番人、ヘイムダルを演じるのは『アメリカン・ギャングスター』『28週後…』のイドリス・エルバ。
ソーの友人で「ウォーリアーズ・スリー」の1人、ホーガンを演じるのは『スワロウテイル』『ステキな金縛り』の浅野忠信。
ソーの父親であるアスガルドの王、オーディンを演じるのは『羊たちの沈黙』『M:I-2』の、レジェンド俳優サー・アンソニー・ホプキンス。
S.H.I.E.L.D.に所属する謎のアーチャーを演じるのは『S.W.A.T.』『ハート・ロッカー』のジェレミー・レナー。

製作はケヴィン・ファイギ。
製作総指揮/原作はスタン・リー。

MCU4作目にして、物語のスケール感がむっちゃ大きくなってる!
これまでに登場した主要人物は軍事会社の社長やちょっとキレやすくて緑色な物理学者、身体能力抜群の女スパイとかだったのに、ここにきて急に神様!?
今でこそ当たり前の様に受け入れられているけど、ソーはこれまでのキャラクターとはちょっと世界観が違いますね。
まぁ、シリーズの前半でこれ以上無いほど荒唐無稽なキャラクターを登場させることで、その後の世界観を広げやすくしたのでしょう。これが結果的には大成功!宇宙人だろうが喋るアライグマだろうが、どんなキャラでも包容してしまう懐が深いシリーズになったのはひとえにこの映画のお陰なのです。

この作品の魅力は、なんといっても主人公のソー!
豪快な性格、抜群の身体能力、甘いマスク、そしてマッチョなボデー!
まさしくスーパーヒーローという見た目と能力でありながら、ギャグキャラっぽいお茶目な性格もとてもチャーミング💕
神の息子というとんでもない設定にリアリティを持たせたクリス・ヘムズワース。この映画を機にブレイクするが、それも納得のスター性の持ち主だと思います!!

ソーが非常に陽性なキャラクターであり、お話の内容も良い意味でコミックぽい。とても明るい映画なので楽しく観ることは出来たのだが、正直気になるところも多い…。

まず、アクションが退屈。
冒頭での氷の巨人の国に殴り込みに行く場面。画面は暗いしアクションがとにかくわかりづらい。
盛り上がる場面のはずなのになんだかイマイチ…。
この場面だけでなく、バトルシーンは全て単調でわかりづらい。必要性を感じないスローモーションを多用するのもなんだかなーという印象。
氷の巨人の長、ラウフェイの扱いもなんだこれ?あまりにあっさりやられたので、あいつがやられたのかどうかすら分からなかった。

地球に追放されたソーが、ジェーンたちと親交を深めていく様子は確かに楽しいが、ちょっと展開が急すぎると思う。
ソーが追放されて数日しか経ってないよね多分…。恋愛描写が唐突すぎて正直ついていけなかった。

ロキの描き方もなんだかなぁー。
彼がソーに嫉妬心を抱いたり、自らの出自のために歪んでいく様子はなるほどと思うのだが、彼の計画が周りくどいし、なんか地味。
あと、ロキだけ親父&兄貴と見た目違いすぎない?血が繋がって無いことバレますよ。せめて髪の色をブロンドにするとかすりゃよかったのに。

地球、アスガルド、ヨトゥンへイムという3つの世界を舞台にしているにも拘らず、それぞれの世界の描写が中途半端なので世界観がこじんまりとしている。
物語上、地球は単純にアスガルドのゴタゴタに巻き込まれてしまっただけであり、舞台を地球にする必然性がなかったのもうーんなポイント。
実は地球に氷の巨人の「箱」が隠されていたとか、もっとストーリーに地球を絡めて、アスガルドとヨトゥンへイムと地球の対立関係を描いてもよかったのでは。
最後のビフレストビームの対象は地球の方が絶対良かった。

キャラクターの魅力が大きいので、まぁそこそこ面白いよ、という感じの映画。これまでのシリーズ作品の中では一番好きなのだが、せっかく荒唐無稽な物語なのだからもう少し突き抜けた面白さが欲しかった。

光の国からやってきて地球人を騙り、兄弟たちと共に怪獣と闘う…。あ、もしかして『これウルトラマン』?
そういやあのシールドとかウルトラ警備隊みたいだよなぁ、とかどうでも良いことを考えるのであった。シュワッチ!
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