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神々の深き欲望のsonozyのレビュー・感想・評価

神々の深き欲望(1968年製作の映画)
4.0
今村昌平監督による、南の孤島で土俗的な原始信仰に生きる島人の生と性を描いた作品。やっと観ました。
ストーリーも映像も、濃度・粘度が高い、ものすごい世界。

沖縄県の南大東島、波照間島などで撮影され、赤土や太陽の暑さを描くために、赤味のあるフィルムを使用したという映像。
赤い巨岩、ノロ(巫女)、秘祭ドンガマ…といった土着の世界。
そんな島にも近代化の波がやってくる。

近親相姦の家系?太(ふとり)一家が軸となる物語。

妹ウマ(ノロ 松井康子)との近親相姦や密猟が原因で、脚に鎖をつながれ、赤い巨岩を落とすための穴を20年間掘り続ける太根吉(ふとり ねきち 三國連太郎)。
父・山盛(やまもり 嵐寛寿郎)は自分の娘との近親相姦で根吉を産ませている。
根吉の息子・亀太郎(河原崎長一郎)は島から出て東京に行きたがっている。
そして、本作で一番エキセントリックな役どころが亀太郎の妹で知的障害のあるトリ子(沖山秀子)。

Wikipediaには嵐寛寿郎のコメントとして「沖山秀子、監督と毎日オメコしとる、かくし立てしまへん。これが頭おかしゅうなった、ビルから跳びましたやろ。7階も上から。ほてから生命たすかった、バケモノや。」と出てますが、本当なら監督の行為含め、ヤバすぎますね。。
この作品の撮影で予算を使い過ぎて今村プロダクションは破綻寸前となったそうですが、この撮影期間のある種の狂気が全編に漂ってます。

『神々の深き欲望』という気になるタイトルもいいですね。
“神々の”=“人それぞれが拠り所としている神や信仰がもたらす”深き欲望と捉えればよいのか・・
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