Pigspearls

マジック・ランタン・サイクルのPigspearlsのレビュー・感想・評価

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早稲田松竹のレイトショーにて。なぜ今さらケネスアンガー…?と疑いつつ興味本位で行ったら、ほぼ満席で驚き。恵比寿ナディッフでも彼の展示をやっているとか。まじか。

前半のプログラムはハタチの監督の煩悩が炸裂する「花火」から、元祖MVな「ブースモーメント」、エモい(でもこれはとても好き)「ラビッツムーン」、水フェチ「人造の水」、長すぎて眠くなるドラッグムービー「快楽殿の創造」まで。

耽美とかビジュアル系とかゲイムービーとかそういうジャンルがまだ世にない時代の欲望を実験する装置としての映画。彼のマイノリティに由来した発明のきらめき。ときどき笑ってしまうけど、本気のエロはどんなに狂っていても真実の愛に似てる。

ケネスアンガーを観たあとはデレクジャーマンもケンラッセルもピーターグリーナウェイもみんなとっても正気でまともに見えてくる。ちなみに個人的には「ラビッツムーン」のシーンが明らかに某90年代カリスマ耽美系少女漫画の扉絵で多用されていることも含めて、永遠の師匠、と崇める気持ち。