むぅ

コーヒー&シガレッツのむぅのレビュー・感想・評価

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)
4.1
"夜明けのコーヒーは1日の始まりではなく1日の終わり"

どんなものもそうだけれど、コーヒーとタバコって特に、それを手にしている人の気持ちや時間を感じる。
コーヒーやタバコの持ち方で、そのちょっとした時間をどんな気持ちで過ごしているのか、少しだけ覗き見出来るような気がするのだ。何かを待つ時間や、誰かを想う時間、誰かと過ごす時によく登場するからかもしれない。

本を読む時はコーヒーがいい。
映画を観る時はお酒がいい。
でも今作はコーヒーを飲みたくなった。

コーヒーとタバコと、そこから生まれる会話。11個のエピソード、どれもクスッと笑ってしまう。

『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』という物語に出てくるフードの"あるある"シーンについての本に
・マグカップを真顔でかかえたら、心に不安があるか打ち明け話が始まる
・煙草を手放さない人は心に秘密を抱える傍観者だ
確かに、と思った。
楽しいシーンではそうでもないのに、切ないシーンほどコーヒーとタバコはスポットライトが当たる気がする。ちなみに、その本の中で"あるある!"と思ったのは
・逃亡劇は厨房を駆け抜ける
だった。邦画でも洋画でも見かけたことがある。

勝手な私調べがある。
バーのカウンターで珍しい銘柄のタバコを吸ってる人は、音楽・映画・本・ウイスキーのどれかにめっちゃ詳しい確率が高い。
それか"アンティークな何か"を好きだったりする。
コロナでその私調べは滞っているが、好きに飲めるようになったらまたこの調査を再開しようと思った。

早く偶然に居合わせた人とよもやま話が出来る日が来ますように。
でも、願わくばそのお供はお酒がいい。
むぅ

むぅ