コーヒーとタバコは気まずい会話を何とか保たせてくれる。
最初のコントから最後の荘厳な雰囲気漂う詩的一編まで、ありとあらゆるどうでもいい(大抵は気まずい)会話シーンが11編映し出される。ぼんやりとスクリーンを眺め、意味のなさそうな会話に耳を傾けていると、意識がふわりと浮遊し、登場人物と同じテーブルに座って聞き耳を立てているような感覚に陥ってくる。真上からの俯瞰シーン(雑然と汚いテーブルがモノクロ映像のせいか実に美しく見える)が多いからだろうか。
イギー・ポップとトム・ウェイツの「SOMEWHERE IN CALIFORNIA」、ビル・マーレイの「DELIRIUM」、最後の「CHAMPAGNE」が特に好き。