わたふぁ

コーヒー&シガレッツのわたふぁのレビュー・感想・評価

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)
4.0
全盛期のスティーブ・クーガンが見たくなって数年ぶりにコーヒー&シガレッツ。
やっぱり彼の《いとこ同士?》が中でも好きだ。ハリウッドの売れっ子とそうじゃない人の会話だけど、売れっ子クーガンが調子に乗ってエラそうに対応していると、最後には立場が逆転するというお話。電話の相手の“スパイク”が、スパイク・リーではなくスパイク・ジョーンズだとわかってから手の平を返しても、遅い。

全11話。コーヒーとタバコと、市松模様が共通アイテムのオムニバス。初対面で待ち合わせした者同士、血の繋がりがある者同士、客と店員などの関係がそれぞれある2〜3人の他愛ない会話。

お金をかけずに、なんとシンプルで無駄のないクールな作品をジャームッシュは作ったものか。86年から撮って03年に完成してるということから、映画を商業的ではなく趣味的に作っていることがわかる。贅沢。
お金がかかっているのは恐らくギャランティーの面だけ。ワンシチュエーションで、定点カメラも3台程で撮影クルーも少なくていいからすごい。

それぞれのコーヒーは、エスプレッソなのか、薄めのアメリカンなのか。濃さや注文するカップの大きさからも、2人の間柄が見えてくる。
ケイト・ブランシェットが一人二役を演じた《いとこ同士》では、“エスプレッソを大きめのカップで”と注文していて、2年ぶりだから積もる話もあるよね...と思いきや、その量を後悔するほど楽しくない時間となっていた。

イギーポップとトムウェイツの場合は、コーヒーがぬるくてマズそうだった。待ち合わせに早く来たイギーが、たっぷりポットごと注文してしまっていて、遅れてきたトムもそれを飲まざるを得ない状況には笑う。このエピソードは特に、画づらが強烈。