そらになるらむ

コーヒー&シガレッツのそらになるらむのレビュー・感想・評価

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)
3.0
「コーヒーとタバコ、それが昼飯か? 体に悪いぞ」

小さなコーヒーテーブルを挟んだ二人による会話劇。オムニバス形式。ついつい身を乗り出して聞き入ってしまう。

ジャームッシュ作品は、私にとって当たり外れが大きい。ダメなのもあったけど、このところ懲りずにいくつか続けて観て、それがなぜだかわかったような気がした。

ジャームッシュ監督の作風は、どの作品もブレない。いつも部屋の対角線ぐらいの距離から、他人の生活を、聞き耳を立ててジーッと覗き見する感覚。

面白いか、面白くないかは、監督が選んだ人間観察の対象者次第。私にとって興味深ければ、とてつもなく面白い。逆に、興味が湧かない相手だと、極端につまらない。要するに、自分自身の「他人に対する興味」の鏡なのだ。

その興味の物差しは私だけの尺度で、どうやら世間一般の見方とは必ずしも一致しないようだ。ハマるのもあれば、ハマらないのもある。

「コーヒーをシャンパンだと思おう。人生を祝うのさ」