所謂〝戦争〟らしい戦争の描写はない。捕虜収容所が舞台で、女性の出演が過小なことなど、『戦場のメリークリスマス』に影響を与えたのではないかと思った。
日本人(東洋)の武士道やハラキリなどの古臭いステレオタイプな考え方と、主義を重んじた日本人とは異なる忠誠心、また技術も発想も開化しているイギリス人(西洋)という対立項が如実に表れている。
また、凄惨な状況を描いているにも関わらず、どこかコメディーチックなことが気になった。例えば、捕虜の誇張した野次、クワイ河マーチなどの戦争とは相反する行進曲の多用、ラストの爆撃スイッチなど…。私にはそれらの意図がわからないが、戦争という歴史の革新的な捉え方のように感じた。総じてとても面白い作品だった!