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ザ・ディープのMOCOのレビュー・感想・評価

ザ・ディープ(1977年製作の映画)
3.0
「仮に何百年も間をおいて同じところで嵐が2つあったとする。同じ条件で2隻の船が沈んだとしたら、2隻とも同じ岩礁に流れ着かんかな?」


 ニューヨークからバミューダにスキューバダイビングにやってきたデヴィッド(ロバート・ショウ) とゲイル(ジャクリーン・ビセット)は、案内所で紹介されなかった沈没船を発見しGOLIATH(ゴライアス)と刻印された銀色のフォークとS.C.O.P.N. 1714という文字と貴婦人の肖像があるメダルと一本のアンプル(汚染を避ける必要がある医薬品などを封入して保存する小さなガラスの小瓶。不活性ガスも同時に注入されガラスの薄い上部を直火で溶かして密閉し、瓶の首の部分を折って使用します。一昔前の注射液は全てアンプルに保管されていました)を見つけるのですが、ゲイルが突然何かに襲われたことでダイビングを切り上げ、ボンベを返却するとき案内所で荷物を見られてしまいます。
 

 図書館で文献を調べると「O.P.N」はスペイン語オラプロノビス(祈り)と分かり、デヴィッドは1714年に沈んだフィリップス王の財宝船だと推測します。

 その夜、レストランで食事をしていた二人はボンデュランと名乗る宝石商の男に「珍しい瓶を集めているので2人が今日見つけたラインハルト(ドイツのUボートの艦長のことでしょうか?)の瓶を買い取りたい」と話かけられます。デヴィッドはそんな瓶は無いと言いボンデュランは諦めて帰っていきます。

 翌日、二人はメダルを地元の海に詳しいローマール・トリースに見てもらいS.C.O.P.N. は「サンタクララの祈り」と教えられるのですが、フィリップス王の財宝船が沈んだのは1,300kmも離れたフロリダ沖だと否定されてしまいます。
 ところがフォークとアンプルを見たとたんにトリースは表情を変えるのですが「興味ない」と嘘をつかれ帰されてしまいます。

 帰り道2人はボンデュランに拉致され、荷物を探されるのですがアンプルはトリースに奪われており、見つけられず「明日には島を離れろ」と脅されます。

  2人は再びトリースを訪ね説明を求めると「持っていなかったから命拾いした」と言われ、港で働く老水夫・アダム・コフィンに引き会わされます。
 コフィンは第二次大戦中に難破したゴライアス号の唯一の生き残りで荷物の積込をした男でした。
 コフィンは「ゴライアス号に98,000本のモルヒネと島の半分が吹き飛ぶほどの弾薬を積んだ」と語ります。

 ボンデュランと名乗り近づいてきた男は麻薬を扱うクローシュという島のボス、98,000本のアンプルは島では伝説なのです。

 トリースはモルヒネがクローシュに渡ればあっという間に麻薬として都会に流れていくことを恐れ、ゴライアス号を爆破しようと考えます。

 フィリップス王の財宝は偶然流れ着いたとするトリースの説を信じてデヴィッドはゴライアス号の爆破に同行するのですが、突然トリースは爆破を延期すると言い始めます。爆薬の固定に重しに使おうとした石は大金持ちの者しか所有地出来ない頑丈な鍵のパーツだったのです。

 その頃一人でホテル(コテージ)でデヴィッドの帰りを待っていたゲイルはクローシュの部下達に部屋に押し入られ身の毛もよだつ恐怖を・・・。

 ゲイルは駆けつけたデヴィッドとトリースのお陰で解放されます。
 トリースは鍵のパーツをデヴィッドに見せて、ゴライアス号の真下にフィリップス王の財宝を運んだ船があるのではないかという話をするのですが、デヴィッドはこれ以上ゲイルを巻き込みたくない思いから翌朝島を出る決意をします。
 その夜、死ぬほど怖い思いをしたゲイルはデヴィッドに「帰りたくないくせに」と・・・。

 トリースはクローシュに気づかれず財宝を手に入れるために、回収するアンプルを買い取って欲しいとクローシュに持ちかけます。
 クローシュは3日間で回収しろと条件提示をしてきます。

 ゲイル達は初日に4,000本のアンプルを回収をするのですが2日目からはゴライアス号の下に眠るお宝の回収をはじめます。

 ところが船に残って潜らせてもらえないコフィンの不満につけ入りクローシュはコフィンを買収し情報収集をしていたのです。
 コフィンの裏切りで大切な仲間を惨殺されたトリースは自分が殺され船に残っているコカインが回収されることを恐れ3日目の調査を諦めて船を爆破することにします。パナマの海洋史に名前を残したいデヴィッドは回収したほんの一握りの宝石がフィリップス王の財宝であることを証明する必要があるのですが史実ではフィリップス王の財宝船はフロリダ沖で沈んでいるのです。
 デヴィッドはその証明ができるあるものの存在を肖像の中に見つけます。前日の潜水で確かにそれを見ているのです。
 トリースが船に爆薬を仕掛け発火するまでは僅か3分、その間にデヴィッドはそれを回収しなければならないのですが、船はゲイルを襲った生き物の棲み家になっている上に、宝石の回収をしていることを知ってしまったクローシュが・・・。


 このフレーズを知っている方は皆無かもしれませんが『フィルムの恋人ジャクリーン・ビセット』の主演作です。
 ジャックリーン・ビセットは私が外国の女優で初めて「きれいな人」を感じた本当にきれいな女優さんです。
 当時33才のジャクリーン・ビセットは大人の顔ですが「経験」などもう少し以前の映像で見るジャクリーン・ビセットは、お人形さんのような可愛らしさです。

 大ヒット映画「JAWS」のP・ベンチリー原作の映画化次作は「ジョーズをはるかにしのぐ海洋サスペンス大作」という触れ込みでしたがそれは大嘘、シンプルで盛り上がりの欠ける映画は、ただただきれいでセクシーなジャクリーン・ビセットを見る映画です。

 2005年にポール・ウォーカー&ジェシカ・アルバの主演で『イントゥ・ザ・ブルー』というタイトルでリメイクされている映画です。
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