竜平

カンニング・モンキー/天中拳の竜平のレビュー・感想・評価

3.5
ジャッキー演じる風来坊の青年がひょんなことから二つの「秘薬」を巡る争いへと足を踏み入れてしまう。正統派カンフー映画の皮をかぶったアクションコメディ。

てなわけでジャッキーの初期代表作と言われてる今作を今更ながら初鑑賞。もうオープニングからフザケ倒してるわけだけども、後に出来上がるジャッキーの方向性やらユーモアの入れ方やら、今作がその原点と言えるのかも。主人公は元々達人とかでもなんでもなく、というかてんで弱いし、小狡かったり怠け者だったりの性格など、設定に作風に例えばブルース・リー映画とは決定的に違うところがある。またコントのような展開や効果音などとにかく「お笑い」方向に突っ走ってるカンフー映画ってのも当時斬新だったんじゃないかな。独自の路線を切り拓いたという意味ではなかなか重要な作品なのでは、なんて。

劇中で出てくる「無敵の一本指」は子供の頃に見てたら真似してたと思う。ずっと弱いのに中盤あたりから急に強くなるジャッキー、これはご愛嬌。登場人物たちが一堂に会してのラストの混戦、もう20〜30分延々とバトルなんだけどカンフー好きには楽しい時間。めちゃくちゃ多彩で、ジャッキー単体はもちろん、武器を使ったりアクロバティックだったりのその他の面々の立ち回りも非常にユニーク。総じて良くもわるくもめちゃくちゃくだらない、ジャッキー愛があればこそバッチリ楽しめる内容かな。
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