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フェア・ゲームのクレセントのレビュー・感想・評価

フェア・ゲーム(2010年製作の映画)
4.3
彼は学生たちの前で言った。君たちは私の妻の名前を知っているが、大統領が何を発言したかを知らない。いつのまにか問題がすり替わってしまった。誰もが真実に気付かない。政府による犯罪は国民に対する罪である。君たちへの罪である。怒りを感じたり騙されたと思ったら行動するんだ。国の責任とは限られた権力者の手にあるのではない。君たち一人一人が国民としての義務を忘れない限り、声を出せ。質問をするのだ。真実を追求するんだ。民主主義は容易に与えられはしない。しかし、義務を果たせば、子供たちもこの国で暮らしていけるのだ。

米国は民主共和制を敷く。フランクリン大統領が独立宣言をした際に、国民一人ひとりの意志によって国家が決まるものとした。(日本の場合は天皇制を敷いており立憲君主制であるために国家としての在り方が米国と異なるが)

この映画は時の政府が犯した大罪を隠すために、それを暴露した主人公らを処罰した実話である。政府が国民を騙したのである。共和制を敷く米国民が、権力におののきながらも立ち上がる姿を克明に描いた勇気ある作品となった。フェア・ゲームとは台詞の中にも出てきたが、「やられたら、やりかえせ」である。米国が強いのもこういう意識が国民感情に浸透しているからなのだろう。
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