フッカー

秒速5センチメートルのフッカーのレビュー・感想・評価

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)
4.0
ぶっちゃけ今見るよりもっと昔に見た方が良かった気がする。自宅と学校が世界のほとんどで自分で範囲を広げることがまだ難しい年齢のときに。高校とかそこらかな。
でも心にくるものがあったので、ググっと点数上げてこの評価。

この映画珍しく連作短編形式なんですよね。小説ではよくありますが。一つ一つのエピソードが独立して成り立つと同時に、人物とかその他のものが共通してて、合わせて一個の大きな話にもなるよという形式。個人的に小説でも映画でも好きですよ。じっくりクる感じがして。

どれも距離感のお話。ep 01.ep02は初々しすぎてどうしようかと思いました笑
「いやぶっちゃけまだまだ生きてりゃ、もっとどうしようもなく大きなことが否応なく降りかかってくるし笑」とか感じたのは、若干汚れてしまっているからでしょうか笑
誇張された台詞に少し温度差を覚えずにはいられませんでした。
ぶっちゃけこの頃って何にしても大袈裟になりがちだよね。まあそういうもん。今だからそう思えるわけでそんときは、ホントにそれで真剣なのは分かるし!
「こんときはこうだよね~~!!」って真っ直ぐ受け取りたいけど若干ひねくれもの笑

ただ思いの純粋さってのはやっぱり良いもんでヽ(´▽`)ノ
雪の中遅れても遅れても会いに行くところとか凄く混じりけないのが好きでした。あそこで待合室でああなるのがやっぱり映画だなと。でもそれ好きなんだな笑

一番響いたのはep 03ですね。社会人になり仕事を続ける中で埋没してく心。繰り返し繰り返し繰り返して、我慢して誤魔化して、何とか馬力きかせて。そうしてやがて「あぁ限界だ」と。
凄くよくある話なんだけど、真っ暗な部屋の中ビール飲んでる姿にどうしても心うたせられた。
ぶっちゃけ研究とかでもちらほらそういう人あります。良い結果でて実績ついちゃって博士課程までいくと余計そういうことになりがち。そういうの凄く思うところがあって。まあ俺も4年のときは研究苦労して。おっと脇道だなこれ笑
そんな中で一瞬出会った"あかり"

踏み切りという僅かな物理的距離と、非常に大きな心理的距離。そして最後作った表情がいいですね。

切ないけど皆受け入れて生きていく。
そんな当たり前の姿。どこにでも溢れてる姿。日常。
これを「秒速五センチメートル」という速さに絡めて、色んなスピードに絡めてとても純粋に描いてくれていたのが良かったです。

温度差は感じるけど笑
でもこういうの好きなんだよなあ。