Kei

秒速5センチメートルのKeiのレビュー・感想・評価

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)
4.0
『35mmフィルムで観た今作は素晴らしかった』

現在『君の名は。』が大ヒットをしたため、新海監督の名前が幅広い層に知れ渡っていますが、今作は新海監督の劇場作品3本目のもので、当時から私は新海監督の世界観が好きでした。

そんな私はかなり前からこの作品は当然知っておりBlu-rayも持っていますが、最近再上映があるとの事で鑑賞してきました。
公開当時はスクリーンで鑑賞していなかったため、大変後悔していたのでこの度観られてよかったです。

そして何と言っても今回はデジタル上映ではなく、35mmフィルム上映です。Blu-rayとは印象が全然違います。オープニングの桜の描写で鳥肌が立つくらい綺麗でした。フィルムのもつ質感が、新海監督の世界観をさらに引き立てていました。光の描写から、新宿の街並みまでデジタル上映とは違った柔らかく暖かい印象で、何度も観ているのに改めて感動しました。

この作品はどうしても好みは分かれます。好きな人は世界観で楽しめると思いますし、嫌いな人はとことん嫌いでしょう。

また、作品の感じはブルーで『君の名は。』でも描かれている距離や、すれ違いについての物語ですが、どうしても暗く、どちらかといえばバッドエンドのように捉えてしまいやすいですが、フィルムで観るとその印象は違います。

新海監督自身、今作をハッピーエンド/バッドエンドのように描いたつもりは無かったのに、世間の見方はバッドエンドだったので、自分の伝えたいものと、実際に伝わったもののキャップを感じていたらしいです。

自宅でフィルムは観られませんし、現在ではフィルム上映ができる映画館すら少ないですが、そんな中で今作をフィルムで観られて良かったです。
Kei

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