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秒速5センチメートルのkariaのネタバレレビュー・内容・結末

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

元々は地上波で観たのだけれど、IMAXで上映されたので改めて見返した(2022年10月9日)。ので、改めて感想も書き直す。

第一話、電車が遅延する(しかも天気という不可抗力によって)のがひたすらにもどかしくて、その反動で出会えたことがより特別に思える。ここまではただただ良い。手紙のパートも可愛らしい。

第二話、明里とメールしてるのかと思いきや誰にも送っておらず、ガラケーにただ下書きしては消すだけの描写が痛々しい。

そして最後の「秒速5センチメートル」、歌詞にあわせてこれでもかと観客に投げつけられるフレームの数々。明里との手紙は徐々に減っていく。何もないポストを見て曇る顔。そして高校に進学した明里の横には知らない男子がいる。遠野の隣に別の女子がいるのと同じように。

最後の部分、学生時代に片思いをしていたかどうかで共感の度合いが相当かわるんじゃないかと思う。遠野がただ何もしないでグズグズしてるだけじゃん、と思う人もいるだろう(実際何のアクションもしていないのだけれど)。でも、LINEのようなチャットツールが一般化するより前の時代ということも含めて、「自分の中に留めておくもどかしさ」を感じる作品なんだと思う。

ハッピーエンドでは全くないけど、幸せそうになっていく明里と正反対の遠野の対比が良すぎて、MVパート何度も見返しちゃうんだよな。今回IMAXで観たことで、目をそらすことが出来ない大画面でそのMVパートをまさに見せつけられた。

この「秒速」を見てるかどうかと、ゲームのPVを見たことがあるかどうかで新海作品に対する印象が相当変わるよね、と思う(観ておくべき、というわけではない)。元々書いていた感想はそんなことを書いていたし、その感想は今でも変わらない。
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