shino

秒速5センチメートルのshinoのレビュー・感想・評価

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)
3.0
"ねえ、秒速5センチなんだって。桜の花の落ちるスピード。"

 主人公の、少年期、青年期、そして社会人になってからの人生のひとときを切り取った3部構成の作品。

離れ離れになった初恋の女の子との思い出を、ずっと抱えたまま生きている主人公が何とも言えない。
映像美もあいまってファンタジーな仕上がりに感じました。

なんというか、全体的に男性目線なのかな…?随所に男性の理想とロマンみたいなものを感じてしまって、なんだか私の肌には合わなかったです。笑
劇的な何かが起こるわけでもなく、だたずーっと未練の残る主人公を見せられる作品に感じてしまった。

 女の子はもっともっと、図太くたくましく、そしてしたたかに生きていますよ。笑
感受性豊かな人たちはこの映画の繊細さにもハマるんだろうなと少し悲しく思いますが、美化されていく思い出を、いつまでも額に飾って眺めていては何も始まらないのだぞ。
主人公に幸あれ。と強く願ってしまうのでした。

とはいえ、映像や色使いは本当に本当にきれい。日常にこんなファンタジーな風景が溶け込んだらなんて素敵なんだろう…。
shino

shino