Jeffrey

間奏曲のJeffreyのレビュー・感想・評価

間奏曲(1957年製作の映画)
3.8
‪「間奏曲」‬

‪冒頭、美しいミュンヘンの街並みの空撮。

列車から人々が降りる。1人の女性が車へ乗り込む。観光地、2人でドライブ、大自然の中の茶会、接吻、コンサート、指揮者。今、ヒロインの女性の恋愛が始まろうとしている…

本作はD.サークがJ.アリソンとR. ブラッツィを主演にしたメロドラマで、この度BD化され初見したが街並みの撮影風景は兎に角美しく綺麗だ。

観光地を舞台に繰り広げられる恋愛ものなのだが監督の母国であるドイツを舞台にしているのはこないだ国内で初円盤化した戦争ドラマの「愛する時と死する時」と同じである。

数年前にアンジェリーナ・ジョリーとジョニーデップが主演した「ツーリスト」と言う観光サスペンス映画があったが、本作の夏のミュンヘンの風光明媚さはとんでもなくずば抜けていて、ツーリストの景観は圧倒的に負けていた。

本作はタイトルの通り西洋古典音楽がずらりと流されるいわばミュージックムービーみたいなものだ。そして風変わりな建築物の美しさを主張している外のシークエンスは大いに記憶に刻まれる。

この映画はいわゆるミュンヘンに観光しに来た女性のストーリーに大いに関係してくるのがベートーベンやヘンデル、ワーグナーの音楽たちだ。

さて、物語はミュンヘンの米国情報局文化部に務めるヘレンが名指揮者トニオ・フィッシャーに会う。彼のコンサートに魅了された彼女は惹かれつつも…哀しい大団円を迎えて行く…とこんな感じなんだが、あの終わり方はなんとも辛すぎる…

ネタバレになるから上手く話せないが、好きじゃない相手と…あの後、2人はどうなるんだろう…考えても仕方が無いが、ヒロインの大恋愛の苦悩を見せたサークの秀作だ。‬

‪結構な年齢に近づいている2人のメロドラマなんて最高じゃないか。いい年越えての第2の恋愛なんて羨ましい。

それに1つ1つのショットの美しさはもはやダグラスサークと言う監督の代名詞と言える。

細部にまで神経を研ぎ澄ますこの徹底さ、誠に素晴らしいものがある。‬

‪まだ未見の方は何れもお勧めできる傑作たちです……。‬
Jeffrey

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