TenKasS

間奏曲のTenKasSのレビュー・感想・評価

間奏曲(1957年製作の映画)
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ドイツで撮られたアメリカ時代の映画。設定やプロットから『第九交響楽』と『南の誘惑』の間みたいな趣きがある。
しかし殆ど恐怖映画。特に指揮者トニオの妻、レニに付けられている演出が怖い。グランドピアノに映った歪んだ顔や、画面の奥でカメラの移動とともにフレームインするも全く動かずマネキンにすら見えてくる描写、そして伯母にはレニなんて存在してませんと言われ、実際終盤まで存在はしているが影が薄い。にも関わらず異彩を放つ。終盤、一気にゴシックな空気感を映像が纏い、入水。女性の入水シーンがある映画はヤバい。
ただ、4年も病気にかかっていて治るかもわからない上、知らない女に夫を取られたくないから精神不安定になっているというレニは至極真っ当な感情で動いているようにも見えてしまう。
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