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キャピタリズム マネーは踊るのyealのレビュー・感想・評価

4.5
資本主義に基づいた市場原理だけでは社会は回らない。

資本主義は我々全員がノームに基づいた行動をし、多くの人がエコノならば成立するかもしれない。
でも実際にはそうでは無い。
多くの人が赤信号を無視した事はあるし、自分の保有している株の企業の業績を確認したこともないだろう。

特に印象的だった場面は、キリスト教の司祭が語っているシーン。
現代は拝金教といっても過言ではないほど、お金は我々の信頼を厚く得ている。
だからこそ経済が危機に直面すると多くの人が戸惑い、絶望し、そして命を断ってしまうのだろう。自分が信じていたものが崩れ去る時=お金の価値が様変わりした時に正常でいられる人はなかなかいないのかもしれない。
キリスト教の中でも分かれている富に対する考え方。ただ、映画の中で出てきた司祭達のように、お金を持っていることをよしとしない人が多いのだろう。

もう一つ思い出したことは、社会的共通資本と言う考え方である。
世の中には資本主義では回らないものがある。例えば教育や一次産業である農業や医療などの今で言うエッセンシャルワーカーである。
なぜエッセンシャルワーカーたちはその職に就いているのか。経済的合理性だけでは説明がつかない。
そこにはお金以上の価値を見出している人たちがいる。だが、お金の魅力にさいなまれ、経済的成功を収めれないことにやる気を削がれてしまう人たちも多くいるだろう。

お金とは何なのか。経済とは何なのか。資本主義とは何なのか。
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