ガラムマサラ

巴里のアメリカ人のガラムマサラのレビュー・感想・評価

巴里のアメリカ人(1951年製作の映画)
3.8
巴里のアメリカ人


鳴り響くピアノの音、ダンスシューズが刻むリズム、巴里の情緒あるロケーションの中で華やかに紡がれるロマンチックな恋のミュージカル。

ジーン・ケリー主演の傑作とは噂に聞きつつもなかなか手を付けていなかったのですが、いざ観てみれば評判通りやはり楽しいですねー!
三角関係というより四角?いやもうちょい複雑な恋愛模様ですがその泥沼のような恋模様にヒヤヒヤしつつも明るめな作風のおかげでかなり安心して観られます。何よりメインの登場人物が抜群に良い奴ばかりですからね、本当にハッピー。

自分のお気に入りはピアニストであるちょっと偏屈な友人のアダム。視聴者の代弁者といっても良いでしょう。
彼に感情移入しながら主人公ジェリーの恋愛に呆れ、戸惑い、まさかの展開に動転する。あのコーヒーを注ぐシーンはどれだけ動揺してんだと言いたくなるくらいわかりやすかったですね。
それだけに彼の描写がもう少し見たかったのが惜しい!
彼の奏でるピアノとジーン・ケリーのタップダンスは抜群に心を弾ませてくれますし、歌唱力も高い。デュエットのシーンは本当に素晴らしかったです。(曲名を忘れてしまった)。

あとはジーン・ケリーが子どもたちと一緒に歌う『I Got Rhythm』も好きですね。あそこも只管楽しいシーンであり、様々なステップを披露するジーン・ケリーに見惚れてしまいます。

ラストはまるでそれまでの物語とあり得たかもしれない未来を堂々と華やかに踊り奏でる壮大な一幕!膨大なセットと小道具で彩られたパレードのような盛大なフィナーレです。
15分近い
このシーン、なんとなく『ラ・ラ・ランド』を思い出したのは自分だけでしょうか?