アーリー

バットマン ビギンズのアーリーのレビュー・感想・評価

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)
4.5
どうしても「ダークナイト」ばっかり観かえすせいで、自分の中で意外と忘れられがちな作品な気がする。バットマンという一つの正義の誕生を丁寧に描いた面白い映画。

超人的な能力を秘めているわけでは無いヒーロー。頭を使って戦う頭脳派キャラみたいなイメージがなぜかあるけど、今作のバットマンは肉体派。山に篭り修行する姿は昨今のマーベル映画では見られないもので逆に新鮮。あくまでも人間の延長線上にいる感じが良い。格闘技術にアジア的な要素が入っているのはノーランオリジナルなのか。

恐怖を克服することが一つの大きなテーマ。スケアクロウは毒を用いて相手に幻覚を見せる。見る幻覚は自分が日頃怖いと思っているもの。
ゴッサムシティという犯罪が蔓延るうわべだけ取り繕ったどうしようもない街で、犯罪をなくすにはどうしたらいいのか。恐怖を与えられることの辛さを知っているブルースは、悪党に対して逆に恐怖を与えることにした。それは復讐だと捉えることも出来る。正面からでは崩せないなら、暗闇に潜んで倒せばいいというのがバットマン。孤独な戦いが待ってることを感じさせるラストがまたいい感じ。

ノーラン監督は作品の雰囲気を作るのが上手い。特にシリアスな感じを出させたら一級品。一つ思うのは作品の世界観からストーリーまでなにもかも設定しすぎるせいでアドリブが効かない作品になってるんじゃないかということ。役者自身が考えて表現できる範囲が、他の監督よりも少なそう。役者は一つのコマにすぎひんように見えてしまう。ただ話が面白すぎるからなんも文句はないんやけど。
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