ノーラン版バットマンシリーズで一番好きなのはご多分にもれず『ダークナイト』なわけだけど、あの名作は本作があってこそ。
闇のヒーロー、バットマンが生まれる過程を丁寧に、且つリアルとファンタジーを織り交ぜて描く本作は、ノーラン監督のバットマン愛を感じる作品となっている。
バットマンはスーパーマンではないし、他の超常的な力を持つヒーローでもなく、ただの人間。
超人的な力を手に入れたから、または、持っていたから正義を行うのではない。
自分の街が腐敗していくことを憂い、そしてそれでも立ち向かう一人の人間としてバットマンを描く本作は、今までのシリーズ史上、最もダークで、そして最もクールなバットマン。
マイケル・キートン版は好きだけど、それ以降のヴァル・キルマー、ジョージ・クルーニー版は完全に霞んでしまうぐらい、これぞ『バットマン』っていう感じが味わえる本作。
今後、バットマン=ノーラン版となるかもね。