ほーりー

バットマン ビギンズのほーりーのレビュー・感想・評価

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)
3.8
メトロン星人がタバコにちまちま幻覚剤を仕込むのですら何てまどろっこしいと思うのだが、さらに凌駕するまわりくどい計画を考えたもんだと思う。

街の水道管を破裂させる装置とかニッチすぎるし。

クリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト・トリロジー」シリーズ第1弾「バットマン ビギンズ」。

バットマン誕生の過程をしっかり描いた作品。ノーランらしい骨太の構成で見応えは十分。

ただ自分としては前半のテンポが良かったのに比べて、後半が鈍重のような印象を受けた。

当時この作品を観て驚いたのがゲイリー・オールドマンの枯れた演技で、それまでエキセントリックな役の印象が強かったので、それこそ最初観たときはオールドマンだと気づかなかった。

あとでキャストを見た時の衝撃ったらなかったですねぇ。

あとマイケル・ケイン。これだけ頼りになるアルフレッドを演じられるのはこの人しかいないと思う。ジョークのキレの良さも流石。

振り返ってみると本作のテーマは、恐怖とは何か? またどうすれば恐怖を乗り越えられるのか? というところだと思う。

だから1作目にもかかわらず、今回のヴィランがジョーカーやペンギンといったお馴染みのキャラではなくてスケアクロウだったのだろう。

テーマ性がしっかりしているのが、ノーラン版バットマンシリーズの特徴だと思う。そして次作の「ダークナイト」では、悪とは何か? 正義とは何か? というテーマが取り扱われる。

個人的にはティム・バートン版にあった幻想性も捨てがたかったのだが。

それにしてもあれでゴッサムシティは救われたのだろうか? 上水道メチャクチャになったあとの水不足の問題には全く触れてない……。

■映画 DATA==========================
監督:クリストファー・ノーラン
脚本:クリストファー・ノーラン/デヴィッド・S・ゴイヤー
製作:ラリー・J・フランコ/チャールズ・ローヴェン/エマ・トーマス
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード/ハンス・ジマー
撮影:ウォーリー・フィスター
公開:2005年6月15日(米)/2005年6月18日(日)
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