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バットマン ビギンズのryosukeのレビュー・感想・評価

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)
4.0
前半は人物紹介、基本設定の紹介というところで、ちょっとだけ説明的な感じもするが、三部作の第一作ということでまあ仕方なかろう。原作のことは知らないが、色々説明が必要であろうところかなり手際良く処理していたのでダレる感じもしなかった。何かとアクションにケチを付けられることの多いノーランだが、確かに(特に前半は)誰が何をやっているのかよく分からない瞬間がちょこちょこあった。
ただ、やはりブルースがバットマンとしての活動を始めるところから俄然面白くなってくるし、サーチライトに悪役を貼り付けてコウモリのシルエットを見せられちゃあね。終盤、ラーズ・アル・グールに演出が過ぎないかと言わせるのは照れ隠し?全体的にノーランお得意の「デカイ」画の連続で流石のゴーシャス感だった。
忍者集団との修行シーンもあるが、黒ずくめのバットマン自体も忍者がモチーフということで良いのかな?撒菱っぽい武器も使用しているし。
無計画な増築が繰り返された様子のスラム街であるナローズ島(良ビジュアル!)もどこか九龍城砦を思わせるし、実はオリエンタリズム満載の作品なのね。「ブレードランナー」以降の伝統かな。電線まみれの狭い路地のクレーンショットは「パラサイト」でも見た光景だ。
困窮者のために活動していた父親が作り上げたモノレールが結局街に危機をもたらすのは皮肉。パーティ会場で両親の残した名声を汚し、代々受け継がれてきた屋敷を燃やされたブルースには、更にモノレールを破壊することまで求められることになる。何とも正しい父親越えだった。
次作の「ダークナイト」はスクリーンで見られることになったが、これ以上の出来なら期待できそうだ。
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