Godfather

オーメンのGodfatherのレビュー・感想・評価

オーメン(1976年製作の映画)
4.5
これより怖い映画をいまだに知らない。
子供の頃はトラウマだった映画が大人になってみると... ということもなく、今観てもやっぱり最恐の映画だという思いを新たにする。

オーメンはちょっと変わったホラー映画だ。
主人公は刃物を持って襲いかかったりはしないし、恐ろしい化け物になったりもしない。
では悪魔の子ダミアンは何をするのか?...「何もしない」のだ。
ただいるだけなのだ。なのに彼の周辺に身の毛もよだつ出来事が次々と起こっていく。見えない力がジワジワと恐怖を植え付けるのだ。

オーメンの特徴的な怖さのひとつは「目」だろう。
エクソシストのリーガンのように白目を剥いたりはしないし、光ったりビームを出したりするわけでもない。
でもダミアンの曇ったような不吉な瞳は不思議と心の奥に突き刺さってくる。犬と目があった途端に催眠術にかかってしまった家政婦のように、観ている観客も画面越しに悪夢の中に引きずり込まれてしまう。
もしダミアンの瞳の写真を壁中に貼り付けた部屋に閉じ込められたら、私は半日ともたず発狂するだろう。

劇中に登場する死亡シーンの数々は、今どきのスプラッター映画と比べたら大人しいものだ。それでもこれほど不吉な恐怖感を醸し出す映画には、未だ出会っていない。
Godfather

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