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どですかでんのkiritoのレビュー・感想・評価

どですかでん(1970年製作の映画)
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【どですかでん】

開始3分でわかった…
あ、この映画は物凄く危険な匂いがする…と

黒澤明監督作品にしてカラーの本作。

恐らく、この映画こそ観る時期を選ぶのではなかろうか。


スラム街に住む人々の群像劇。

登場人物が1人として『普通』じゃない。
みればわかる『違和感』の塊。
これまで見てきたどの映画とも違う『異質感』。

みているうちに、私はこの作品を最後まで見届けるべきなのかどうかがわからなくなった。
この映画にそもそも評価をつけるべきなのかどうかも。

けれど、もしかしたら人は誰しもこうなのかもしれないと思わせる。
家で見せる顔と社会で見せる顔が違うように、本当の自分とは何か。
取り繕ってはいないか。

人物だけじゃない、この人々を囲む装飾品も恐ろしかった。
どこか『異様』だった。

唯一おじいちゃんだけが私のつかの間の癒しだった。


枯れてしまえば何の木かもわからない。
人間も死んでしまえば誰かわからない。

どですかでん、どですかでん、どですかでん、どですかでん、どですかでん、どですかでん。

超・難解映画。
さよなら。また会う日まで。


2016.6.23
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