トクサ

どですかでんのトクサのネタバレレビュー・内容・結末

どですかでん(1970年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

かつ子と酒屋の配達屋さんの別れるシーンが切なかった。
「いつかまたね」と配達屋の青年が明るく言うんだけど、言い方が明るいから逆に「この青年とは永遠に会わないだろな」と予感させて。
二人から離れていくカメラの撮り方も、かつ子の置いてけぼり感を増長させてて、悲しみがどっと押しよせてきた。

芥川比呂志が演じる平さんの、その虚空の目も衝撃的だった。
生きることを拒絶していることを、目だけで表現している俳優を今まで観た事がなかったので。

六ちゃんは知的障害があるのだろうけど、貧民街の大人達と六ちゃんと比べると、どっこいどっこいじゃないだろうか。
正気と狂気の違いなんて、誰にもはかれないんじゃないだろうか、と観終った後もひきずる映画でした。
トクサ

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