かや

サイダーハウス・ルールのかやのレビュー・感想・評価

サイダーハウス・ルール(1999年製作の映画)
3.8
孤児院で育った青年が初めて外の世界に出て得たものは?

ざっくりと言ってしまえば、孤児院で医術を学んでいた青年の成長の物語。
同じところに留まっていれば、誰だって違う世界に憧れを持ち、孤児院を離れ、りんご農園で生活を始めるというのが超大まかなあらすじ。
ちなみにサイダーハウスはりんご農園のこと。


表面的な内容は孤児、中絶、 近親相姦、不倫といった重いものが描かれてはいるのだが、本当のテーマとして、他人のために生きること、失敗をして学ぶということが描かれている力強い作品だった。

孤児院のルール。
サイダーハウスのルール。
社会のルール。
我々が生きる世界には、様々なルールが存在していて、それを守ることが正しいとされている。
でもそのルールを破ってでも、それが他人のためと想ってしたことならどうなのか?
そんな誰かのためを想った良い嘘に溢れている。
どちらが人間として正しいのか、非常に曖昧な問題を見せつけることで、自分はどうなのかと見直す機会を作り出すことを監督は狙ったのでは…

ラッセハルストレム監督と言えばギルバートグレイプかなとは思うんだが、静かな雰囲気や情景とかは非常に似てると思う。
2作とも普段の町の風景の描写が好き。
同監督作、砂漠でサーモンフィッシングはがっかりでしたが…

トビーマグワイアも良かったんだが、マイケルケインが素晴らしかった。
そしてフュリオサ様ことシャーリーズセロンは美しい。
若かりし蟻男のポールラッドも出てました。


重いうえに地味でエンタメ要素は削ぎ落とされているが、優しい音楽で静かな雰囲気を包み込む感じるものが多い映画でした。
ギルバートグレイプが好きな私は結構好きな映画です。
これも何故かDVD持ってて、何回も観たくなるようなものではないですが、買ってて良かったとは思いました。
オススメはできないですけど、ギルバートグレイプが好きな方にはハマるような作品だと思います。