このレビューはネタバレを含みます
久しぶりにラッセ・ハルストレムの作品を観る。これは前にも観ているけれども。
前半より、後半が良かった気がする。
ホーマー(トビー・マグワイア)、ウォリー(ポール・ラッド)、キャンディ(シャーリーズ・セロン)の3人の関係が、運命に翻弄されるように絡まって行くけれども、ドロドロにならずに、それぞれ着地する。そういうサラリとした所が良かったし、原作と脚本のジョン・アーヴィングらしい所かもしれない。
ホーマーが、サイダーハウスで働くローズを中絶手術によって救い、ラーチ医師(マイケル・ケイン)の後任として孤児院に戻る決心をする所が圧巻だった。
ホーマーは、皆が引き取り手を待つ孤児院で、運命からか、引き取り手のなかったという、過酷な人生だった。けれども、育ての親である、ラーチ医師の技術を受け継ぎ、彼の元を飛び出しながらも、彼の意志を継ぐことになるのが、やはり、自分の場所を見つけたんだろうと思う。
しかし、ローズのような、中絶手術がどうしても必要な人もいる筈なのに、今アメリカでは、堕胎(中絶)手術が違法になるかもしれないのは、時代に逆行しているのではないかと思う(2022.6.25)。