Nabkov

サイダーハウス・ルールのNabkovのレビュー・感想・評価

サイダーハウス・ルール(1999年製作の映画)
3.5
シャーリーズ・セロンが全く今と変わってなくて、逆に怖い。ポール・ラッドは尋常じゃなく白い。カルキン家のキーランは、もっと認められても良い気がするんだよなぁ。

映画自体は色々とモラルを問う内容。終わってから冷静に考えると、色々とオンパレード。語り部が変わるのと同じく、観客はマイケル・ケインからトビー・マグワイアに視点を変えて情景を見ていく。構造に問題はなく、終始飽きずに見ているのだが、主人公のパーソナルな部分が描かれず、基本的には芝居に依るところだからか、なんとも違和感が拭えない。変に人間臭いアンドロイドの様に見える。

ステレオタイプではない孤児院だが、孤児院その舞台に興味がないのか、あまりそこが描かれなかった事が心残り。主人公のコアな人格を形作った筈の唯一の狭い世界が汎用な描かれ方なのが、感情移入できなくなる原因な気がする。
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