あーさん

サイダーハウス・ルールのあーさんのレビュー・感想・評価

サイダーハウス・ルール(1999年製作の映画)
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"やかまし村の子どもたち"シリーズ、"ギルバート・グレイプ"、最近では"僕のワンダフル・ライフ"等で有名なラッセ・ハルストレム監督作品。
今作を紹介してくれたフォロワーさんがいて下さり、あれからだいぶ月日が経ってしまったが、、ようやく鑑賞の運びに♪

1943年 孤児院セントクラウズ。
Dr.ラーチ(マイケル・ケイン)はそこで医師として働いている。
その片腕として助手を務めるのは、ホーマー(トビー・マグワイア)。この孤児院で育った。
Dr.ラーチはゆくゆくはホーマーにここを任せたいと、正式ではないが医術を教えている。
しかし、ホーマーはそのことに関して、だんだん疑問を持つように。
その医術の内容とは。。

そんなこともあり、とある出来事から衝動的に住み慣れた孤児院を飛び出し、意気投合したウォリー(ポール・ラッド)のりんご園で住み込みで働くホーマー。
体を動かし働くことは、慣れるとそう辛いことでもなかった。仲間もでき、孤児院しか知らなかった彼は、外の世界を満喫する。
そして、いけないと知りながら、恩のあるウォリーが戦争に召集された留守中に、彼の恋人キャンディ(シャーリーズ・セロン)と恋に落ちるのだった。。

その後の衝撃的な出来事。。

自分の居場所はどこなんだろう?!

そこでふと、我に帰るホーマー。

本当に自分が必要とされている場所は何処なのか?

ホーマーがそう思った時、帰る場所は一つしかなかった。。

中絶、近親相姦、戦争の傷痕、、次々と起こる出来事は尽く重い。
けれども暗くなり過ぎず、前向きな希望を感じさせられるのは、ラッセ監督の目線がどこまでも温かいからだろう。
ホーマー役のトビー・マグワイアの笑顔が終始とても眩しくて、何色にも染まっていない純粋さを感じられたせいもあったかもしれない。
シャーリーズ・セロンもちょうど23歳位だから、とても初々しくて可愛らしい。
(少し前に観た"タリーと私の秘密の時間"の疲れ切った母親役とは全く別人!あれはもの凄い役作りだった…)
マイケル・ケインの父親のように包み込む優しさが、今作をグッと引き上げている。
アカデミー賞助演男優賞受賞も、納得!
看護師のエドナとアンジェラもいいコンビだなぁ♪

りんご園のローズ親子のパートも忘れられない。。
子どもを思うが故の過ち。
そして、悲しい別れ。。

孤児院の子ども達の無垢な可愛さに、心を揺さぶられる。
もらわれたくて、外から来るお客さんに良いところを見せようと一生懸命アピールするのが、愛らしくて。。

そういうほっこりするパートと現実のシビアなパートが、上手く組み合わされているのがやはり秀逸だなぁ。



血は繋がっていなくても、志は繋がれる。

そんなことを思った。

サイダーハウス・ルール。

人に作られたルールで生きるのはやめて、
自分のルールで生きよう!

若者へのメッセージが、ここにも。

いや、若者じゃなくてもいつからでも始められる。

だって、自分の人生は自分のものなのだから!!
あーさん

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