ひさかた

8 1/2のひさかたのレビュー・感想・評価

8 1/2(1963年製作の映画)
4.7
他人からの愛を求めすぎて、内面へと至らなかった男の物語。

誰よりも愛されたいのに、誰も愛してくれない。そんな外界からの愛を執拗に求めて、何かを探している彼の夢と現実の狭間の映像です。
他者からはしつようにもとめられているものの、それは自身の権威を求めて近づく人間のみで本当の自分を愛してくれない。義務的で、少しでも冷たくすれば逆上するかすぐ離れるか。意志など尊重されない。

いや、そもそも自分が他人を愛しているのか?もはや自分すらもわかっていないのではないか?
そんな内面に迫る作品です。

人間の内面を追う作品がだーいすきなわたしとしては、ひたすらご褒美みたいな映画でした。劇場で観れてよかった。
ひさかた

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