どーもキューブ

8 1/2のどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

8 1/2(1963年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

フェリーニの映画監督グイドについて 



1963年
アカデミー外国語賞受賞。
フェデリコ・フェリーニ監督、脚本(ほか3名)


 

はじめは、淀川長治本やら数々の映画本で高評価。RCAコロンビアビデオで若いころみたが、最初の空撮、足にヒモカットとグイドが鞭で女性をてなづけてるようなカットしか覚えていない。ビデオ裏ジャケットだけどなんの映画とも?思う。タイトル数字でなおのこと、訳わからん。

時たち2022年。午前十時の映画祭12で上映とのことで裏楽しみにしてたやつ。ゴゼジュウの「甘い生活」は見逃した。ていうかこちらもなかなかわかりづらい難解色物映画で、長い。

レストア版、ティジョイ新潟、2022年10月初旬みてきた。





途中なんどかウトウトしたが、。 やはり難解映画かもしれないが、。若い時と違いよくわかった。 ていうか凄い映画だった。


映画監督グイド、マルチェロマストロアンニ。映画監督グイドの映画製作する現実、妄想、現実、妄想が続いているような映画だ。


アヌークエーメ、グイドの元妻っぽい
彼女がかける黒ブチメガネがカッコいい。だけど、辛辣にグイド監督にバンバンいいくるめる。

なんで呼んだのよ!
都合のよいことばなり繋いで映画作って!
実際なんなのよ!

とズバズバ言う。グイドからしたら耳が痛い。ていうか映画監督の妻でこんな感じなのかな?ひたすら褒めたり絶対しない。

だからこそ、妄想に逃げるグイド。マストロヤンニが鞭を持つシーンはまさしく妄想の塊。これを映画にすればいいのに、、。

 女性陣が鞭でいなされ、集会場にあつまる。あのシーンの和やかそうなシーン。女性には、わからないと思う妄想。元彼が全部でるという妄想が女性には無さそうと思った。妻のアヌークエーメも笑顔で支度していた。

 この女性だけのフェリーニの映画が「女の園」 だ。ハッキリ言うと、本作よりこちらの「女の園」の方が好きだし、見返したいのはこっち派閥。なぜなら笑えていやらし感有るから楽しい。 

それに比べると本作は、ひたすら話しかけられ、悩み、妄想に逃げるフェリーニ映画だ。本作いわゆる「映画の映画」 。映画製作を描く映画、映画の現場を描く映画、つまり映画の映画。いまや朝ドラ、様々な監督が作っている。

冒頭はいきなり渋滞している。そこから「飛ぶ」「飛翔」のイメージがつらなる。足にロープがついて、物凄い高い所からその足からロープが伸びてる印象的なカットがある。本作ここだけは、よーく覚えていた。映画あるある「どうやって撮った」のワンシーンの記憶。

あと本作とにかくよく話しかけてくる。映画監督という職業は、 決断の連続、会話の連続だといわんばかり。いろんな風貌、いろんな事を言って くるその内容が面白い。
 ウディアレンの「スターダストメモリー」も同種の映画の映画話。こちらのウディは、辛辣に映画業界やファンや妄想がウディ皮肉満載で、わたしのウディアレンのベストスリーに入る。大好きな作品。


クラウディアカルディナ。
クラウディアが出るシーンのライティングが明らかに違う。そして綺麗、必見。映画とは関係なく今までの流れと違うようなカットの美しさは、本作のウジウジジクジクした感じを吹っ飛ばす美しさだ。

あと本作のイメージシーンなのか、とにかくこれでもかと「老人」が出る。ある意味必見。グイドの疲れたイメージなのか、まあ老人が行進しているよう。

ラストいろいろいわれてますが、ある意味大団円の映画といえば本作。ある意味ラストミュージカル的動作。
なんか脚本4人いて、フェリーニもどうしようかなあ、ラスト、みんなで集合してさあ、踊ってさあ終わりにしない!とでも考えついたのよう。

この前に「ボッカチオ70」の巨大女の短編をはさみ、前作は「甘い生活」の3時間強からの自己言及のようなはなし。フェリーニ的にも乗りにのってる時期の作品。

フェリーニを劇場でみてきた。


さて
フェリーニの映画の映画
はっかにぶんのいち
通称
グイドの映画はつらいよ
フェリーニの8本2分の1を撮った現状
ぜひ!


 フィルマ版追記
フェリーニといえば、代表作にあげられる?らしい?が。
わたし個人的には、「フェリーニのローマ」や「女の都」の方が中期は断然面白い。
アカデミー外国語賞受賞からの代表作っぽいが、もしかしてフェリーニのスランプ期だったのかも、。
だが、

1963年

で、2時間越えのこんな作品撮らせてたイタリアはやはりフェリーニさまさまだったんじゃないのかな?とは想像できる。

フェリーニは、妻のジュリエットマリーナと最初二人三脚できづき、次第に予算増大で、イマジネーションゆたか系映画を沢山作ってきた。

中期は、黒澤明でいうと「夢」のような自分のイマジネーションをでどれだけ画面に魅せるか映画を作ってきた作家だと思ってる。
限られた映画監督だ。
許された映画監督だ。
俺の映画を撮れる作家だ。

本作はそのなかでも地味な作風だった。

あのセットも凄いっしょ!まあ宇宙ステーションのセットがあったから利用したのかもしれんけど、!

ちなみにちなみに、
わたしのフェリーニベストは、「サテリコン」だ。

あと本当に実感してるのは、
フェリーニは、
R30作家でした。道とか青春群像とか20代でみてもなんとも思わなかった。
いや青春群像はキューブリック推薦で素直にささったが、。
三十代からささったわたしには、超大好きな映画監督ですし、めちゃくちゃリスペクトな映画監督だす!
どーもキューブ

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