佐藤純彌監督作品。総制作費約45億をかけた超大作。緒形拳さんを始めとする俳優陣も言うまでもなく良いし、とても丁寧に作られた作品で、間違いないクオリティだった。本当にロケーションから美術まで何一つ手を抜かずこだわり抜いているのが観たら分かる。それだけに大赤字になってしまったようだ。調べるとその年の興行収入ランキングの邦画2位にランクインしていたようなので、ヒットしなかったわけではないけど、それ以上に製作費にお金をかけすぎたようだ。それに加えて個人的に感じたのが、エンタメ性がもっとあったらさらにヒットしたのかなと思う。というのも、史実や原作に忠実に作っているのか、教材でも使えるのではないかと思うぐらいの硬派作品になっている。もはや学校の日本史の授業の教材として鑑賞したのではないかと思うぐらいの疲れがあったので、面白いかor面白くないのどちらかを絶対に選択しなければならないとすると面白くないを個人的に選んでしまう。たしかに、雪の中での移動シーンが圧巻であったりなど見どころももちろんたくさんある。しかし、全体として作品としてのクオリティは素晴らしいが、面白さやエンタメ性が個人的にはもっと欲しかった。