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存在の耐えられない軽さのMUAのレビュー・感想・評価

存在の耐えられない軽さ(1988年製作の映画)
3.4
ジャケットの写真から、勝手に「氷の微笑」的な重くて濃厚なエロティックかと思いきや、意外にもライトなエロス。なかなかガッツリなシーンもあった割には、ロマンチックというよりも人間的な営み・活動と割り切れる感じの印象。
正直3時間も耐えきれるか不安で、予想通り最初の1時間は退屈でした(本音)。しかし世間の情勢が乱れていくに連れて変化し始める主人公たちの心情に気づき始めてから面白くなってくる。

ストーリーの中で、おそらくテーマであろう「オイディプス王」の本をチラチラ見せてくる所も印象的。脇を固める女優2人の激しい演技と反対に、主人公の俳優の演技がとてもクールに見えすぎて少し心情が伝わりづらいなと感じてしまった。良く言えば目で演技しているのだろうか・・・
最後の展開は結構衝撃で、コールドプレイの某ミュージックビデオを連想。この映画は1回見るというよりも、何度か噛みしめるように見ることで味が出るのだろうなと感じた。

個人的にレナ・オリンに一目惚れ。自分というアイデンティティを確立させ、風のように身軽に生きる女性だが、その生き方が逆に「1つの場所に根を張って生きる」事に対して一種の怯えを生んでしまう・・・ようなシーンにとても共感できたし、なんかもうすごい全てタイプでした(雑な感想)。
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