先入観があったので、まさかこんなに気に入るとは。共感ではなく、影響を受けたという感じ。そして物語に魅了されました。
冷戦下のチェコを舞台に、愛憎入り交じる不思議な絆の三角関係を描くドラマ。彼らの自由、幸福、愛を求める生き様はなかなか見応えがあり、すっかり引き込まれてしまいました。
三者三様の愛の形なのに、それぞれの目線で物語に浸ることができたのは、主役3人の圧倒的な存在感と演技力があったからこそ。
そして素敵だったのは、チェコ各地の素晴らしい映像美と物語をひきたてるヤナーチェクの音楽、文学的なセリフやモチーフの数々。すべてが揃って心に残りました。
長い作品ですが、万感こもるあのラストのセリフを是非聞いて欲しい。美しい余韻。ため息。
小説が先か映画が先か、ずっと迷っていた作品だったので、評価の高い小説の方もやっぱり読みたくなりました。