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存在の耐えられない軽さのsugar708のレビュー・感想・評価

存在の耐えられない軽さ(1988年製作の映画)
4.0
相手に「こうあって欲しい」と何かを望んだり「私はこんなに愛しているのだから」と見返りを求めたりと、お互いの考え方や価値観の違いで悩むという恋愛の永遠のテーマを取り扱った作品でした。

個人的にはその距離感やギャップを埋めていくことこそが醍醐味の一つなのかなと思ったりもするのですが。

個人的にはカレーニンのシーンのが印象的で、先述の通り相手に様々なものを望み、求めてしまう人間ですが犬はそんなことは何一つない、そういう意味で彼らは真の愛情を持っているのだなと考えさせられます。

一見、ただの遊び人ですが本当は人生の選択を間違えたくない臆病な一面を持ち合わせたトマーシュを若き日のダニエル・デイ・ルイスが好演していて素晴らしいです。

一緒に生きる人間に影響を受けて変わるものもあれば、変えられない性分もある。
時代にも翻弄されながら辿り着いた二人の人生が心の底から幸せであったことを願ってやまない作品です。
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