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スパイダーマンのshxtpieのレビュー・感想・評価

スパイダーマン(2002年製作の映画)
3.0
『スパイダーマン』を映画化する、しかも、コミック・ファンをがっかりさせずに納得させるものにする、ということがどれだけ困難なことだったかは、想像にかたくない。げんに、 2002 年までそれはなしえなかったわけだ。映像表現の技術の革新によって、それはなしとげられた。今見ても、とても時代性を感じるなんともいえない映像だけれど、なかなか迫力があると思う。けれども、それだけだ。ここには、コミックブックを映画化しただけの、おとぎばなしの世界がある。現実から目を背けなかった MCU の『スパイダーマン』にくらべると、とても浅薄で、うすら寒い世界である。とくに、ウィレム・デフォーが演じるグリーンゴブリンの滑稽さといったらない。まったくおそろしくない、てかてかした見ためには興を削がれる。それに、ぼくはトビー・マグワイアーという俳優に、まったく魅力を感じられないのだ(あの、もごもごとしたしゃべりかたとしまりのない顔!)。キアースタン・ダンストの MJ も、なんだか微妙だ。ただ、さかさまのキスは強烈なショットだと思う。あれをうんだだけでも、サム・ライミの『スパイダーマン』は偉大かもしれない。それに、父親から虐待されている MJ は、魅力的なキャラクターになりえたポテンシャルがあった(けれども、サム・ライミのスパイダーマン ・トリロジーは、それを掘り下げなかった)。
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